「夕方になると首から後頭部にかけて締め付けられるように痛む。鎮痛薬でしのいでいるけど、飲む回数が増えてきた。マッサージも行ったけど、結局戻る。これ、運動とかで根本から変えられないんだろうか。」
先に結論をお伝えします。
首こりと連動する「緊張型頭痛」であれば、運動によって頻度や程度を減らせる可能性があります。 ただしその前に、必ず確認してほしいことがあります。頭痛の中には、運動やセルフケアの対象にしてはいけないものがあるからです。この記事は、その見分け方から始めます。
以下に1つでも当てはまる場合は、セルフケアや運動を試す前に、医療機関を受診してください。
突然の、経験したことのない激しい頭痛(雷に打たれたような痛み)
手足の麻痺・しびれ、ろれつが回らない、視覚の異常を伴う
発熱と首の硬直を伴う
頭を打った後から続く・悪化する頭痛
50歳を過ぎて初めて経験するタイプの頭痛
回数や強さが週単位・月単位で悪化し続けている
鎮痛薬を月に10日以上飲んでいる(薬剤の使用過多による頭痛の可能性。中止ではなく、まず医師に相談を)
また、片側がズキンズキンと脈打つように痛み、動くと悪化する、光や音がつらい、吐き気を伴う——という場合は片頭痛の可能性があり、対処が緊張型頭痛とは異なります。市販薬でしのぎ続けるより、一度頭痛外来や神経内科で自分の頭痛のタイプを確定させることをお勧めします。
ここから先は、検査で問題がなく、首・肩のこりと連動して、頭全体や後頭部が締め付けられるように痛むタイプ(緊張型頭痛) を前提に話を進めます。
緊張型頭痛は、最も多いタイプの頭痛とされ、首や肩、頭周りの筋肉の緊張と関連が深いと考えられています。
デスクワークで頭が前に出た姿勢が続くと、首の後ろから後頭部につながる筋肉が、傾いた頭を支え続けて緊張します。この緊張が続くと、後頭部から頭全体への締め付けるような痛みとして現れる——首こりと頭痛がセットで来るのは、この構造のためです。
そして、肩こりの記事で書いた通り、首・肩の筋肉が緊張し続ける原因は、多くの場合、首や肩そのものではありません。 動かない胸椎、働かない肩甲骨、浅い呼吸——首は、他の場所の仕事を肩代わりさせられている被害者側であることが多いのです。
緊張型頭痛に対して、運動(有酸素運動や、首・肩まわりの筋力トレーニング)が頭痛の頻度や程度の軽減に有効であることを示す研究報告があり、薬に頼らない選択肢として位置づけられています。
鎮痛薬が「今日の痛みを止める」対処だとすれば、運動は「痛みが起こる回数そのものを減らしにいく」アプローチです。役割が違うので、対立するものではありません。ただ、薬の回数が増えてきているなら、後者に取り組む価値は大きいはずです。
つらいのは首なので、首を揉む・ゴリゴリ回す・強くストレッチする——としたくなりますが、お勧めしません。理由は2つあります。
① 首は繊細な構造物:太い血管と神経が通る場所で、強い圧や勢いのある回旋はリスクを伴います。
② 首は「被害者」:原因が胸椎・肩甲骨・呼吸にあるなら、首をいくら緩めても、翌日また同じ緊張が戻ります。
アプローチすべきは、首の仕事を減らしてくれる場所の方です。
STRUCTでは体づくりを 「マイナスを0に戻すフェーズ」と「0をプラスに上げるフェーズ」 の二相で考えます。頭痛が繰り返している今はマイナスの地点。ピラティスなどの手法も用いた運動療法の視点で、首以外の3か所に働きかけます。
① 呼吸:浅い呼吸で首の筋肉が「呼吸係」を兼任している状態を解除します。仰向けで長く吐き切る呼吸の練習から。
② 胸椎:固まった背中を動かし、前に出た頭が真上に戻れる条件を作ります(キャット&カウ、オープンブック)。
③ 肩甲骨:腕の重さを首ではなく土台(肩甲骨まわり)で受けられるようにします。
この3つは肩こりの改善アプローチと共通です。首こり・肩こり・緊張型頭痛は、同じ根っこから伸びた別の枝であることが多いからです。
STRUCTの場合: 頭痛を伴う方には、運動の強度・進め方を特に慎重に設計します(運動直後に頭痛が誘発される場合は内容を調整します)。また、緊張型頭痛は鍼灸の適応領域でもあり、張りが強い場合は鍼灸や手技で緊張を落としてから運動に入る、という両面のアプローチが取れます。どこから始めるかは体験セッションの4軸評価で見極めます。
頭痛の頻度が減ってきた——ここからが本番です。「今日は痛くない」と「頭痛が起こりにくい体」は別物だからです。
繁忙期の連続残業、睡眠不足、強いストレス——こうした負荷がかかったときに、すぐ首が緊張して頭痛に戻るのか、余裕を持って受け流せるのか。その差を作るのが、このフェーズです。姿勢を支える筋持久力を作り、定期的な有酸素運動を習慣に組み込み、「頭痛が来るかも」と怯えながら予定を立てる生活から、頭痛のことを考えない日常へ。STRUCTが掲げる 「体のマイナスを0に、0をプラスに」 です。
注意点があるぶん、頭痛持ちの方の自己流はハードルが高めです。運動の強度を誤ると頭痛を誘発することがあり、「運動したら悪化した=運動はダメ」と、有効な選択肢ごと手放してしまいがちです。
STRUCTのトレーナーは、鍼灸師(医療系国家資格)とアスレティックトレーナー(JSPO-AT)の資格を持ち、「今日はどこまでやっていいか」を評価しながら段階的に進める訓練を受けています。医療機関との線引き——これは病院で診てもらうべき、ここからは運動で変えられる——を判断できることも含めて、詳しくは鍼灸師×アスレティックトレーナーがパーソナルトレーニングを行う意味をご覧ください。
整理します。
まずレッドフラッグの確認(該当すれば受診。頭痛のタイプの確定も価値があります)
緊張型頭痛なら、運動で頻度を減らせる可能性がある
マイナス→0:首ではなく、呼吸・胸椎・肩甲骨から負担を減らす
0→プラス:負荷がかかっても頭痛に戻らない体を作る
今の状態で運動していいのか、どこから始めるべきか——オンラインの無料カウンセリングで直接お聞きください。頭痛の頻度や、病院で言われたことを教えていただければ、それを踏まえて、運動でできること・できないことを正直にお伝えします。
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狩野 宏多|Kota Karino
STRUCT Conditioning代表トレーナー
鍼灸師 / 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー / NASM-PES
トレーニング・徒手療法・食事や睡眠など生活習慣指導を包括的に組み合わせたアプローチで、お客様の不調を改善するコンディショニングの専門家。慢性的な痛みや、疲れやすい、体力がないといったお悩みを解消しQOL(生活の質)を向上させます。
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この記事を書いた人
狩野 宏多|Kota Karino
STRUCT Conditioning代表トレーナー
鍼灸師 / 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー / NASM-PES
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