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マッサージで肩こりが楽になっても戻るのはなぜ?関係する要因と見直し方

狩野 宏多|Kota Karino

2026/5/25

マッサージで肩こりが楽になっても戻るのはなぜ?関係する要因と見直し方

「マッサージを受けた日は楽なのに、仕事を始めると肩が重くなる」

「首や肩を揉んでもらっても、数日後には元へ戻る」

このような経験が続くと、マッサージには意味がないと思うかもしれません。しかし、マッサージには筋肉の緊張をやわらげ、一時的に楽な状態をつくる役割があります。

それでも肩こりが戻ることがあるのは、施術が間違っているからとは限りません。長時間同じ姿勢で働くこと、机や画面の位置、首・肩・胸椎の動かしやすさ、活動量、睡眠、ストレスなど、日常側の要素が変わっていない場合があります。

この記事では、マッサージで楽になったあとに肩こりが戻る理由と、自分で見直せることを肩こりに絞って解説します。

肩こりに限らず、施術と運動の役割を知りたい方は、マッサージで楽になっても痛みが戻るのはなぜ?施術と運動の役割の違いをご覧ください。

肩こりは、肩だけでも肩以外だけでも説明できない

肩こりでは、首の後ろから肩、背中に広がる僧帽筋などに張りや痛みを感じます。そのため、つらい場所を揉んで楽になるのは自然なことです。

一方で、その筋肉が緊張しやすい状況には、いくつもの要素が関係します。

  • 首や背中が緊張しやすい姿勢での作業

  • 連続して同じ姿勢を取る時間

  • 机、椅子、モニター、マウスの位置

  • 首、肩、肩甲骨、胸椎の動かしやすさ

  • 仕事や生活に必要な筋力・持久力

  • 身体活動量や運動習慣

  • 睡眠不足や精神的ストレス

  • 頚椎、肩関節、内科的な病気など

「肩こりの原因は肩にない」と断定するのも、「姿勢が悪いから肩がこる」と一つに決めるのも適切ではありません。どの場面でつらくなり、何をすると変化するかを確認し、関係する要因を整理することが大切です。

日本整形外科学会も、肩こりには長時間同じ姿勢、前かがみ、運動不足、ストレスなどが関係する一方、頚椎や肩関節などの病気に伴う症状の場合もあるとしています。

マッサージのあとに肩こりが戻る3つの理由

1.同じ作業環境と過ごし方へ戻る

施術後に首や肩が楽になっても、翌日から画面をのぞき込み、腕を前へ出した状態で何時間も作業すれば、再び同じ場所へ負担が集まることがあります。

前かがみになること自体が悪いわけではありません。資料を読む、入力へ集中するなど、仕事に合わせて姿勢が変わるのは自然です。問題になりやすいのは、姿勢を変える機会が少なく、同じ筋肉が働き続けることです。

2.動かしやすさと支える体力が変わっていない

胸椎や肩関節を動かしにくい、腕を上げると肩がすくむ、背中や肩まわりが疲れやすいといった状態では、デスクワーク中に首・肩へ力が集まりやすくなる場合があります。

マッサージで一時的に動きやすくなっても、動かす練習や筋力・持久力づくりを行わなければ、仕事の負荷に対応しにくいことがあります。

ただし、胸椎の硬さや特定の筋力低下を全員共通の原因にはできません。運動内容は、痛みの有無や動作の特徴に合わせて選びます。

3.呼吸・睡眠・ストレスなどが重なっている

緊張しているときや作業へ集中しているとき、息を止める、呼吸が速くなる、肩を持ち上げるように呼吸するといった変化が起こることがあります。この状態が続くと、首・肩まわりの緊張を自覚しやすくなる場合があります。

ただし、「浅い呼吸が肩こりの原因」「横隔膜を使えば改善する」とは断定できません。呼吸は確認する要素の一つです。

睡眠不足やストレス、長時間労働も、筋肉の緊張や痛みの感じ方に関係する可能性があります。肩こりを姿勢だけの問題にせず、仕事と回復のバランスも見直します。

簡単なセルフチェック

セルフチェックは原因を診断するものではありません。左右差、動かしにくさ、痛みの有無を確認し、取り組みの前後を比べるために使います。

1.肩をすくめてから力を抜く

息を吐きながら両肩を軽くすくめ、その後に力を抜きます。片側だけ下がりにくい、痛みが出る、力を抜いても肩が上がった感覚が残るかを確認します。

2.椅子に座って胸を左右へ回す

両足を床につけ、腕を胸の前で組みます。骨盤を大きく動かさない範囲で上半身を左右へ回します。

左右差や背中の動かしにくさ、首・肩への痛みがないかを確認します。角度だけで異常を判定しないでください。

3.壁の前で腕を上げる

壁へ向かって立ち、両腕を痛みのない範囲で上げます。肩がすくむ、腰を大きく反らす、左右差が出る、途中で痛むといった点を確認します。

4.普段どおりの呼吸を観察する

楽に座り、数回呼吸します。息を吸うたびに肩が大きく上がる、息を止めたまま作業することが多いなど、普段の癖に気づくために行います。深く吸おうと頑張る必要はありません。

痛み、しびれ、めまいなどが出た場合は中止してください。

肩こりを見直す4つの実践

1.同じ姿勢が続く時間を分ける

一つの正しい姿勢を保つのではなく、会議や作業の区切りで立つ、歩く、背もたれを使う位置を変えるなど、姿勢を切り替えます。

マウスやキーボードを遠くへ置きすぎない、ノートPCでは台と外付けキーボードを使うなど、腕や頭を前へ出し続けなくて済む環境も探します。

2.胸椎と肩まわりを動かす

横向き胸椎回旋

  1. 横向きに寝て、股関節と膝を軽く曲げる

  2. 両腕を身体の前へ伸ばす

  3. 上側の腕をゆっくり反対側へ開く

  4. 膝が大きくずれない範囲で胸を回す

左右5〜8回ずつ行います。腰や肩に痛みが出るところまで動かす必要はありません。

ウォールスライド

  1. 壁へ前腕をつける

  2. 肩をすくめない範囲で、腕をゆっくり上へ滑らせる

  3. 痛みのない位置から元へ戻す

5〜10回行います。肩甲骨を背骨へ強く寄せたまま固定せず、腕に合わせて動かします。

3.引く運動と押す運動を組み合わせる

チューブローイング

胸の高さに固定したチューブを持ち、肩をすくめずに肘を後ろへ引きます。8〜12回を1〜3セット行います。

壁を使ったプッシュアップ

壁へ両手をつき、身体を近づけてから押し戻します。8〜12回を1〜3セット行います。

背中を鍛える種目だけでなく、肩甲骨を動かしながら押す運動も取り入れます。翌日まで強い痛みや疲労が残らない量から始めてください。

オフィスワーカーの慢性的な首の痛みに対する運動の系統的レビューでは、運動が痛みや機能へ役立つ可能性が示されています。ただし、研究ごとに種目や効果は異なるため、特定の運動だけで肩こりがなくなるとは限りません。

4.睡眠と仕事の負荷を記録する

肩こりが強い日の前に、睡眠不足、会議の連続、長時間労働、強いストレスがなかったかを記録します。

運動を増やすだけで休息がさらに減らないようにし、忙しい日は短い運動と歩行に切り替えるなど、続けられる量へ調整します。

病院へ相談したい肩こりの目安

肩こりに見えても、頚椎、肩関節、頭部、心臓や肺などの問題が関係する場合があります。次のような場合は、セルフケアや運動より医療機関への相談を優先してください。

  • 腕や手のしびれが続く、範囲が広がっている

  • 握力が落ちた、物を落とす、腕や手に力が入りにくい

  • ボタンや箸の操作がしにくい、歩くと脚がもつれる

  • 肩や腕を動かしにくい、夜間も強く痛む

  • 胸の痛み・圧迫感、息苦しさ、冷や汗を伴う

  • 発熱、原因の分からない体重減少、強い頭痛や吐き気を伴う

  • 転倒や事故のあとに始まった

  • 安静時にも痛みが続く、または日ごとに悪化している

突然の胸痛や呼吸困難、意識の異常などがある場合は、救急要請を検討してください。

STRUCTでは関係する要因と優先課題を整理する

STRUCT Conditioningでは、80分の体験セッションで、姿勢・骨格、呼吸、動作、感覚機能の4軸から身体を評価します。肩こりの病名を診断したり、唯一の原因を特定したりするものではありません。

どの場面でつらいか、首・肩・胸椎をどう動かしているか、どの程度の運動から始めるかを確認し、関係する要因と優先課題を整理します。そのうえで、状態に応じた施術と運動を行い、食事・睡眠・生活習慣も必要に応じて支援します。

無料カウンセリングでは身体評価を行いません。約40分の対話を通じて、お悩み、仕事環境、目指したい状態を整理します。身体評価は、その次の80分の体験セッションで行います。

STRUCT Conditioningは医療機関ではなく、診断や治療を行いません。代表の狩野は鍼灸師の国家資格を保有していますが、資格の保有と、施設が医療機関であることは別です。

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前職時代に担当したお客様の例

前職時代に担当した、40代の会社員の事例です。

在宅勤務が増えてから首・肩のこりを感じる時間が長くなり、マッサージを受けると一時的に楽になるものの、数日後には再び気になっていました。

肩だけを見ず、症状が出る時間帯、仕事環境、睡眠、胸椎や肩の動かしやすさ、呼吸時の力み、全身の筋力を確認しました。仕事中に姿勢を変える回数を増やし、胸椎と肩甲骨を動かす低負荷の運動から始め、徐々にローイングやプッシュアップなどの筋力トレーニングへ進みました。

数か月後には、肩の状態に応じて休憩や運動を選べる場面が増え、忙しい時期でも以前より自分で調整しやすくなったと話されていました。

感じられる変化や必要な期間には個人差があり、同様の結果を保証するものではありません。

マッサージで楽になった時間を、次の行動へつなげる

マッサージで一時的に楽になることには価値があります。そのうえで肩こりが繰り返す場合は、施術だけを否定するのではなく、仕事環境、姿勢を変える頻度、動かしやすさ、筋力、睡眠、ストレスなども確認してください。

施術で身体を動かしやすくし、運動で動作と体力を育て、日常生活で負担と回復のバランスを調整する。それぞれの役割を組み合わせることが、肩こりと付き合いやすい状態を目指す一つの方法です。

サービスの料金は、料金・プランの最新ページでご確認いただけます。

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鍼灸師 / 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー / NASM-PES

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