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腰痛でも筋トレしていい?運動で根本改善するための正しい順番 

狩野 宏多|Kota Karino

2026/5/18

腰痛でも筋トレしていい?|運動で根本改善するための正しい順番

「腰痛が続いている。マッサージや整体にも行ったけど、その場しのぎで戻ってしまう。やっぱり運動で根本から変えないとダメだと思う。でも、この腰で筋トレなんて始めていいのか?

ここまで自分で考えて調べている方に、先に結論をお伝えします。

「筋トレしていいか」の前に、確認すべきことが2つあります。あなたの腰痛の「種類」と、進める「順番」です。

腰痛の種類によっては、運動の前に病院に行くべきケースがあります(後述のチェックリストで確認できます)。そしてそれ以外の大多数の腰痛では、運動は「していい」どころか根本改善の中心手段です——ただし、いきなり鍛えるのではなく、評価→痛みを治す運動→鍛える運動という順番で進めた場合に限ります。

「揉んでもダメだった。運動しかない」というあなたの直感は正しいです。この記事では、その直感を安全に実行に移すための順番を、最初から最後までお見せします。

まず確認:病院に行くべき腰痛のサイン

大前提として、運動で対応してはいけない腰痛があります。以下に1つでも当てはまる場合は、トレーニングを検討する前に、医療機関(整形外科)を受診してください。

  • 脚のしびれや脱力が進行している(つまずきやすくなった、力が入らない)

  • 排尿・排便の異常、またはお尻まわりの感覚が鈍い

  • 横になって安静にしていても痛い、夜間の痛みで目が覚める

  • 発熱を伴う

  • 転倒・尻もちなどのケガの後から痛い

  • がんの治療歴がある、原因不明の体重減少がある

  • ステロイドを長期間使用している

これらは、背骨や神経、内臓の病気が隠れている可能性を示すサインです。脅すために書いているのではなく、ここを確認せずに「腰痛には運動がいい」と一律に勧める情報を信用しないでほしいからです。STRUCTでも、無料カウンセリングでこの確認を必ず行い、該当する場合はトレーニングではなく受診をお勧めします。

逆に言えば、これらに当てはまらない腰痛——実は腰痛の大部分がこちらです——は、ここから先の話に進めます。

「揉んでもダメだった」は、あなたの体が正しく教えてくれている

病院で画像を撮っても明確な原因が特定できない腰痛は「非特異的腰痛」と呼ばれ、腰痛の大部分を占めるとされています。

そして、この慢性的な腰痛に対して、運動療法は国内外の診療ガイドラインで推奨されている中心的なアプローチです。かつての「腰痛=安静」という常識は覆り、現在は「動ける範囲で活動を続けた方が回復が早い」ことが分かっています。

では、なぜマッサージでは戻ってしまうのか。マッサージや整体を否定するつもりはありません。あれは「今ある緊張・張りを緩める」ことが守備範囲で、その場で楽になるのは本当です。ただ、慢性腰痛の多くは、筋肉が硬いこと自体が原因ではなく、「なぜその筋肉が硬くならざるを得ないのか」という体の使い方の問題が背後にあります。

例えば、股関節がうまく使えず、しゃがむ・かがむ動作のたびに腰が代わりに動いている人。呼吸が浅く、体幹の内側の筋肉が働かないまま、腰まわりの筋肉が常に姿勢を支え続けている人。この状態で腰を揉めば楽になりますが、翌日からまた同じ使い方をすれば、同じ場所に同じ負担が戻ります。

「揉んでもダメだった」というあなたの経験は、失敗ではありません。原因が筋肉の硬さではなく、動き方にあることを、あなたの体が消去法で教えてくれたのです。動き方の問題を変えられるのは、施術ではなく運動——だから「運動で根本から」という直感は正しいのです。

マイナス→0:まず「痛みを治すための運動」から

ここからが順番の話です。STRUCTでは、体づくりを「マイナスを0に戻すフェーズ」と「0をプラスに上げるフェーズ」の二相で考えます。腰痛がある今のあなたは、マイナスの地点にいます。この段階でやるべきは、重りを持ち上げる筋トレではなく、運動療法の視点に立ったトレーニングです。

この段階でやること

ピラティスなどの手法も用いながら、大きく3つに取り組みます。

① 呼吸を整える

浅い胸式呼吸が続くと、体幹の深部で背骨を支える筋肉が働きにくくなり、腰まわりの筋肉が肩代わりを続けます。呼吸の練習は地味に見えて、腰を守る内側のコルセットを再起動させる、最初の一歩です。

② 使えていない筋肉の再教育

腰痛のある方の多くは、お腹の深部・お尻・股関節まわりの筋肉が「弱い」のではなく「使えていない」状態です。低負荷で、正しい場所に力が入る感覚を取り戻すエクササイズから始めます。きつさよりも正確さを優先するフェーズです。

③ 動作の質を変える

しゃがむ、かがむ、立ち上がる、振り返る——日常で繰り返す動作を、腰ではなく股関節から動けるパターンに変えていきます。1日に何百回も繰り返す動作が変われば、腰への負担は毎日自動的に減り続けます。 これが「根本改善」の実体です。

この段階で避けるべきこと

  • 痛みを再現する動きで我慢して続けること——「効いてる証拠」ではありません。フォームか負荷か種目が合っていないサインです

  • いきなり高負荷の種目から始めること——動作パターンが変わる前に負荷をかけると、間違った使い方のまま強化することになります

  • 起床直後の勢いをつけた前屈・ひねり——腰に負担が集中しやすいタイミングと動きの組み合わせです

STRUCTの場合: このフェーズの中身は、評価の結果によって一人ひとり違います。呼吸から始める方、股関節から始める方、まず施術で強い張りを落としてから運動に入る方——体験セッションの4軸評価(骨格・呼吸・動作・感覚機能)で、あなたの腰痛に関係している要素を特定してから組み立てます。評価なきトレーニングは、ただの運動だからです。

0→プラス:痛みが引いてからが、本番です

多くの方がここで終わります。痛みが気にならなくなった、よかった、卒業——そして数ヶ月後、また同じ腰痛が戻ってくる。

理由はシンプルで、「痛みがない」と「腰痛にならない体」は別物だからです。痛みが引いた時点のあなたは、マイナスが0に戻っただけ。負荷への余裕がない0のままでは、仕事が忙しくなった、長時間の移動が続いた、といった日常の変動で簡単にマイナスへ逆戻りします。

だから、痛みが引いてからが本番です。ここで初めて、筋トレを含む、体を強くするトレーニングに進みます。

  • 正しい動作パターンのまま、負荷を段階的に上げていく(スクワットなどの基本種目もここから)

  • 体力・筋力の「貯金」を作り、多少の無理では崩れない余裕を持つ

  • 腰をかばって生活する状態から、腰のことを考えずに動ける状態

順番が大事な理由が、ここで効いてきます。マイナス→0のフェーズで動作の質を変えてあるからこそ、負荷を上げても腰に集中せず、体全体で受けられる。「腰痛の人が筋トレしていいのか」の本当の答えは、「順番を踏めば、筋トレはあなたの腰を守る最強の保険になる」です。

一人でやるか、専門家とやるか

ここまでの内容は、独学でも実行可能です。ただ、正直にお伝えすると、腰痛のある状態での自己流には2つの壁があります。

1つ目は、評価ができないこと。 あなたの腰痛に関係しているのが呼吸なのか、股関節なのか、それとも別の場所なのかは、外から評価しないと分かりません。原因と違う場所のエクササイズをいくら続けても、変化は出ません。

2つ目は、「今日はやっていい日か」の判断ができないこと。 痛みには波があります。進めていい日、負荷を下げるべき日、運動を止めて様子を見るべき日——この判断を誤ると、良くなりかけた腰を自分で振り出しに戻すことになります。

STRUCTのトレーナーは、鍼灸師(医療系国家資格)とアスレティックトレーナー(JSPO-AT)の資格を持っています。前者は体を評価して見立てる訓練を、後者は痛みがある状態から段階的に運動を設計する訓練を、それぞれ数年単位で受けた資格です。「痛みがある方こそ、評価から始めます」と言えるのは、この土台があるからです。詳しくは鍼灸師×アスレティックトレーナーがパーソナルトレーニングを行う意味をご覧ください。

「今の自分は運動していいのか」から、相談してください

最後に整理します。

  1. まずレッドフラッグの確認(該当すれば病院へ)

  2. マイナス→0:評価に基づき、運動療法の視点で痛みの原因になっている動き方を変える

  3. 0→プラス:痛みが引いたら、再発しない体・腰を気にせず動ける体を作る

この順番さえ守れば、腰痛とトレーニングは敵同士ではありません。むしろ運動は、あなたが探し続けてきた「根本解決」の答えです。

とはいえ、「自分の腰痛はどの段階で、何から始めればいいのか」は、記事だけでは判断できません。そこはオンラインの無料カウンセリングで、直接お聞きください。今の状態で運動していいか、まず相談からで大丈夫です。 カウンセリングの結果、「運動より先に病院へ」となれば、正直にそうお伝えします。

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STRUCT Conditioning代表トレーナー
鍼灸師 / 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー / NASM-PES

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