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膝が痛いときの筋トレはOK?悪化させる動きと正しい進め方

狩野 宏多|Kota Karino

2026/6/22

膝が痛いときのトレーニング|悪化させる動きと、治して強くする順番

「膝が痛い。でも運動不足も気になるし、『膝のためには脚の筋肉をつけろ』とも聞く。スクワットとか、やっていいのか悪いのか、どっちなんだ?

先に結論をお伝えします。

「膝が痛い=脚のトレーニング禁止」ではありません。ただし、「痛みを我慢してスクワット」は最悪の選択です。 正解はその間にあります——膝に負担が集中しない動き方を先に作り、種目と負荷を段階的に選ぶこと。そしてそのためには、膝そのものより、膝の上下(股関節と足首)を見る必要があります。

この記事では、まず受診すべきサインを確認した上で、悪化させやすい動き、そして「治して、強くする」順番をお見せします。

まず確認:病院に行くべき膝のサイン

以下に当てはまる場合は、トレーニングの前に医療機関(整形外科)を受診してください。

  • 明らかな腫れ・熱感がある

  • 膝が引っかかって伸びない・曲がらない(ロッキング)、ガクッと崩れる

  • 転倒・ひねった等のケガの直後から痛い

  • 安静にしていても痛む、夜間痛で目が覚める

  • 痛みが週単位で悪化し続けている

これらは、半月板や靭帯の損傷、炎症など、構造の問題が隠れている可能性のあるサインです。該当しない、「動き始めや階段で痛む」「長く歩くと重くなる」といった慢性的な膝の違和感——ここから先は、そういう方に向けた話です。

膝は「中間管理職」|痛い場所と原因の場所は違う

膝の痛みを理解する上で一番大事な視点は、膝は股関節と足首に挟まれた中間管理職だということです。

膝という関節は、構造上、主に曲げ伸ばしを担当するシンプルな関節です。ところが、上司(股関節)がうまく働かない、部下(足首)が硬くて動かない——となると、その分のねじれや衝撃の処理が、間に挟まれた膝に押し付けられます。

  • お尻の筋肉が働かない→しゃがむ・階段を降りるたびに膝が内側に入り、膝の前面や内側にストレスが集中する

  • 足首が硬い→しゃがむ動作で足首が曲がらない分、膝が過剰に前に出て代償する

  • 股関節から動けない腰痛の記事と同じ構造で、膝がねじれの処理係になる

つまり、慢性的な膝の痛みの多くで、膝は加害者ではなく被害者です。膝だけをサポーターで守り、膝だけをストレッチしても変わらないのは、原因が上下にあるからです。

悪化させやすい動き|「我慢してスクワット」がダメな理由

慢性的な膝の痛みがある段階で、避けたい・注意したい動きです。

  • 痛みを我慢して行うスクワット・ランジ:痛みが出るフォームのまま反復するのは、膝に負担が集中する動き方を「練習」しているのと同じです。回数を重ねるほど上手に痛める体になります

  • 膝が内側に入るしゃがみ方:膝とつま先の向きがずれたまま負荷をかけると、膝へのねじれストレスが増えます

  • 深くしゃがみ込む高負荷の種目:可動域の深い位置ほど膝への要求は上がります。痛みがある段階で挑む場所ではありません

  • 急な坂道・階段の下りの反復:下りは膝の前面に強いブレーキ負荷がかかります。「運動のため」の階段下りは、今は逆効果になり得ます

大事なのは、これらは「一生禁止」ではなく、「今の段階では避ける」 ものだということ。順番を踏めば、スクワットはむしろ膝を守る味方に変わります。

マイナス→0:膝の負担を減らす運動のフェーズ

STRUCTでは体づくりを 「マイナスを0に戻すフェーズ」と「0をプラスに上げるフェーズ」 の二相で考えます。膝に痛みがある今はマイナスの地点。やるべきは膝を鍛えることではなく、ピラティスなどの手法も用いた運動療法の視点で、膝に押し付けられている仕事を、股関節と足首に返すことです。

① お尻に仕事をさせ直す:ヒップリフト系や横向きの脚上げなど、膝に負荷をかけずにお尻を再教育する種目から。お尻が働けば、膝が内に入るパターンが減ります。

② 足首の可動性を取り戻す:硬くなった足首を、体重をかけながらゆっくり曲げる練習で動かします。足首が曲がれば、しゃがむ動作で膝が過剰に前に出る必要がなくなります。

③ 痛みのない範囲で、膝まわりも動かす:完全に安静にするのではなく、椅子からの立ち座りや浅い範囲の曲げ伸ばしなど、痛みが出ない可動域と負荷で膝周辺の筋肉を維持します。「痛みゼロの範囲で動かし続ける」が原則です。

STRUCTの場合: 膝の痛みは、お尻タイプか、足首タイプか、動作パターンタイプかで処方が変わります。体験セッションの4軸評価(骨格・呼吸・動作・感覚機能)では、実際のしゃがみ動作の中で膝がどう振る舞うかを見て特定します。ここはアスレティックトレーナー(JSPO-AT)——ケガと復帰の間を設計する専門資格——の領分が最も活きる場面です。評価なきトレーニングは、ただの運動だからです。

0→プラス:「膝が痛い=脚トレ禁止」ではない理由

痛みが落ち着いてきたら、ここからが本番です。膝を長期的に守る一番の保険は、安静でもサポーターでもなく、正しい動き方で強くなった脚の筋肉だからです。

  • 股関節・足首が働くパターンのまま、浅い範囲から段階的にスクワット系種目へ

  • 太もも・お尻の筋力の「貯金」を作り、階段・坂道・長距離の歩行を膝ではなく筋肉で受けられる状態に

  • 膝をかばって行動を選ぶ生活から、膝のことを考えずに旅行や運動を楽しめる状態

順番を踏んだ人にとって、脚のトレーニングは膝の敵ではなく、再発を防ぐ最強の味方です。これがSTRUCTの掲げる 「体のマイナスを0に、0をプラスに」——治して終わりではなく、不安のない体まで作り切る、ということです。

一人でやるか、専門家とやるか

膝の自己流リハビリには、特有の難しさがあります。「痛みのない範囲」の見極めと、「いつ次の段階に進むか」の判断です。慎重すぎればいつまでも筋力が戻らず、急ぎすぎれば振り出しに戻る。この匙加減こそ、アスレティックトレーナーが競技現場で訓練されてきた技術です。

STRUCTのトレーナーは、鍼灸師(医療系国家資格)とAT(JSPO-AT)の資格を持ち、評価と段階設計の両方を担当できます。詳しくは鍼灸師×アスレティックトレーナーがパーソナルトレーニングを行う意味をご覧ください。

その膝、上下から見直しませんか

整理します。

  1. 受診サインの確認(該当すれば整形外科へ)

  2. 膝は中間管理職。原因は股関節と足首にあることが多い

  3. マイナス→0:我慢のスクワットではなく、膝の仕事を上下に返す運動から

  4. 0→プラス:正しいパターンで脚を強くし、膝に不安のない生活へ

今の痛みで運動していいのか、どこから始めるべきか——オンラインの無料カウンセリングで直接お聞きください。いつ・どんな動きで痛むかを教えていただければ、それを踏まえた見立てと、今日から避けるべき動きをお伝えします。

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狩野 宏多|Kota Karino

STRUCT Conditioning代表トレーナー
鍼灸師 / 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー / NASM-PES

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