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疲れが取れない本当の理由|末梢性・中枢性疲労の違いと種類別の正しい対処法

この記事の内容8項目
  1. 疲労とは何か
  2. 疲労は「痛み」「発熱」と並ぶ生体アラーム
  3. 疲労には2種類ある
  4. 「疲労=乳酸」は今では否定されている
  5. 末梢性疲労への対処
  6. 中枢性疲労への対処
  7. 指導例:デスクワークの疲れが取れなかった40代女性の場合
  8. 記事のまとめ

「休日に寝ているはずなのに、月曜の朝はもう疲れている」

「身体を動かしていないのに、夕方にはぐったりしている」

「マッサージを受けてもストレッチをしても、すぐ元に戻る」

こんな状態、ずっと続いていませんか?

こんにちは!

STRUCT Conditioning 代表の狩野(かりの)です。

大阪・梅田/本町/心斎橋でパーソナルトレーニングを軸としたトータルコンディショニングサービスを行っています。

アスレティックトレーナー(JSPO-AT)×鍼灸師として、「疲れやすさをどうにかしたい」「身体の状態を根本から変えたい」という30〜50代の方を中心に指導しています。

疲れが取れない方を診ていて感じるのは、「疲労」そのものへの理解が対処法に大きく影響しているということです。疲労には2つの種類があり、それぞれにアプローチは全然違います。同じ「疲れた」という感覚でも、やるべきことが逆になることもあります。

この記事では、疲労とは何か、なぜ取れないのか、そして種類ごとにどう対処するのかをお伝えします。疲れやすさの原因がどこにあるかが見えてくると思うので、最後までお読みください。

疲労とは何か

日本疲労学会は、疲労をこう定義しています。

「過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う、身体の活動能力の減退状態」

難しく見えますが、ポイントは3つです。

  1. 活動の結果として起こる(疾病の場合もある)

  2. 不快感と「休みたい」という感情がセットになっている

  3. パフォーマンスが落ちた状態を指す

日常に当てはめると、こんな感じです。

会社で仕事に打ち込んで(活動)、夕方に首がこって休憩したくなり(不快感と休養の願望)、帰りの電車では集中できずスマホをぼんやりスクロールしている(パフォーマンス低下)。

疲労は「痛み」「発熱」と並ぶ生体アラーム

「痛み」「発熱」「疲労」の3つをまとめて、3大生体アラームといいます。

痛みや発熱と並んでいる点に注目してください。疲労は人体にとってそれだけ重要なサインです。「ちょっと疲れただけ」と流せるものではなく、身体があなたを守るために発している警告信号です。

現場でよく見るのは、この警告を無視し続けた結果として慢性疲労に至ってしまっているケースです。気合いやカフェインで乗り越えることを繰り返していると、身体はアラームの音量をどんどん大きくしてきます。

疲労には2種類ある

疲労の研究では、疲労は大きく「末梢性疲労」と「中枢性疲労」の2つに分けられています。ざっくり言うと、身体が疲れているのか、脳と自律神経が疲れているのかの違いです。

末梢性疲労は、筋肉そのものにダメージが蓄積した状態です。登山の翌日に脚がパンパン、というのが典型的なイメージです。ハードな運動やデスクワークで長時間同じ姿勢を維持した後に起こりやすい。

中枢性疲労は、脳や自律神経系の疲労です。1日中オンライン会議が続いてソファから動けない、という感覚に近いです。身体は動かしていないのに消耗している状態です。

そして現代人を苦しめている疲労の多くは、後者の中枢性疲労のほうです。デスクワーク、スマホの多用、マルチタスク、人間関係のストレス。筋肉ではなく脳と自律神経を酷使し続けているから、身体を動かしていないのに疲れ果てるんです。

「夕方になると頭が働かなくなる」「休日に何もしていないのにぐったりする」という方は、中枢性疲労が慢性的に溜まっているサインかもしれません。

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「疲労=乳酸」は今では否定されている

学校の体育で「疲労は筋肉に乳酸が溜まった状態」と習った方も多いと思います。ただ、現在の疲労研究ではこの説はほぼ否定されています。

乳酸は疲労の原因どころか、エネルギー源として再利用される分子です。疲れた身体の回復を助ける側に働いています。

「乳酸を抜かないと」という発想から始まる疲労対策は、ターゲットがズレています。大事なのは乳酸を流すことではなく、末梢と中枢それぞれの疲労に合ったアプローチをすることです。

末梢性疲労への対処

ポイントは血流を回して、栄養を届けて、休ませることです。「疲れているから動かない」は実は逆効果になります。

5〜10分のウォーキングや肩回し、股関節のストレッチで血流を戻すほうが、ただ横になっているよりも回復が早いです。

入浴は38〜40度のぬるめの湯に10分程度。熱すぎるお風呂は交感神経を立ち上げてしまうので、疲労回復には向きません。

食事では、たんぱく質とビタミンB群を切らさないことが基本です。鶏胸肉やマグロに含まれるイミダペプチドは、抗酸化作用による筋疲労の軽減が研究で報告されています。

そしてもう一つ、現場で特に意識していること。同じ姿勢・同じ動きで緊張し続けている筋肉は、ただ休ませるだけでは戻りません。使えていない筋肉を起こし、張っている筋肉をゆるめる。このセットが末梢性疲労の解消には欠かせません。STRUCTでお伝えしているコレクティブエクササイズ(動きを修正するエクササイズ)の基本も、ここにあります。

中枢性疲労への対処

気合いを入れる、カフェインで乗り切る。これは中枢性疲労には効かないどころか、逆に消耗を進めます。ポイントは脳の興奮を落として、副交感神経にスイッチすることです。

呼吸は即効性があります。4秒吸って、8秒かけて吐く。これだけで副交感神経が優位に傾きます。パソコン作業の合間に1分でも取り入れるだけで、夕方の消耗感が変わってきます。

睡眠の入り口を設計することも重要です。寝る1〜2時間前に38〜40度のお風呂に浸かる、60分前からスマホとPCを手放す、起床時間を毎日一定にする。この3つが揃うと、中枢性疲労はかなり抜けやすくなります。

情報を遮断する時間を作ることも試してほしいです。スマホの通知をオフにする、SNSから離れる30分を設ける。脳に入力される情報を減らすだけで、疲労感の質が変わります。

ウォーキングやダンスのようなリズム運動はセロトニンの分泌を促し、脳の疲労感そのものを軽くしてくれます。ラジオ体操もいいですね。

そして疲労研究の第一人者・渡辺恭良先生も強調しているのが、「いつ休むかを自分でコントロールできるかどうか」という点です。休憩のタイミングを他人に決められている状態が、中枢性疲労を一番こじらせます。スケジュールの中に意図的に回復の時間を組み込む習慣が、慢性的な消耗から抜け出すには不可欠です。

指導例:デスクワークの疲れが取れなかった40代女性の場合

実際に来てくださったお客様の変化をご紹介します。

在宅勤務が中心で、夕方になると頭が働かなくなり、週末は一日中横になって過ごすことが続いていた40代の女性です。運動は週1回ヨガに通っていましたが、疲労感はまったく改善しないとのことでした。

評価してみると、末梢性の疲労というよりも、中枢性疲労が主な問題でした。1日の画面時間が非常に長く、仕事が終わってからも情報のインプットが続いている状態。呼吸は浅く、肩まわりの筋肉が常に過緊張していました。

介入の中心は呼吸のパターンを変えることと、夕方以降の過ごし方を設計することでした。週1回のヨガは続けながら、仕事中の1時間ごとの呼吸ブレーク、夜9時以降のスクリーンオフを日課として組み込んでもらいました。

1ヶ月経った頃に「週末に動けるようになってきた」という変化が出始めました。2ヶ月後には「金曜の夜に友人と食事できるくらいのエネルギーが残るようになった」と話してくれました。やっていたことはヨガと同じ「運動」でも、疲労の種類を見極めてアプローチを変えたことで、結果が変わりました。

記事のまとめ

疲労は、身体からの重要な情報です。

その信号を「ただ我慢する」「カフェインで消す」で終わらせずに、末梢なのか中枢なのかを見極めて、正しい手を打つ。これができるだけで、疲れやすさは根本から変わっていきます。

自分が感じている疲れがどちらのタイプか分からないという方は、一度身体の状態を評価してみることをお勧めします。疲れやすさの原因が見えると、何をすべきかが自ずと明確になります。

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