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デスクワークで疲れが取れない理由と改善策|身体を「省エネモード」から脱出させる5つのステップ

狩野 宏多|Kota Karino

2026/1/13

デスクワークで疲れが取れない理由と改善策|身体を「省エネモード」から脱出させる5つのステップ

「週末はずっと寝て過ごしてしまった」

「月曜の朝から、もう疲れている」

「やりたいことがあるのに、身体がついてこない」

このような状態が続いていませんか。

デスクワークを中心に働く方からよく伺うのが、「休んでも疲れが抜けない」という悩みです。平日は仕事をこなすだけで精一杯。休日は回復するために寝て過ごし、やりたいことまで手が回らない。

疲れの原因は一つではありません。睡眠不足、仕事のストレス、食事、病気や服薬の影響など、さまざまな要素が関係します。そのうえで、長時間座り続ける生活と身体活動量の低下も、見直したい要素の一つです。

この記事では、デスクワークが中心の方に向けて、疲れにくい身体をつくるための5つのステップをお伝えします。

なお、ここで使う「省エネモード」は医学的な診断名ではありません。動く機会が減り、身体を動かすための余力まで小さくなっている状態を表すための比喩です。

デスクワークなのに、なぜ身体が疲れるのか

「座っているだけなら、身体は休めているはず」と思うかもしれません。しかし、座っていることと、身体が回復していることは同じではありません。

長時間同じ姿勢でいると、首、肩、腰などの一部に負担が集中しやすくなります。立つ、歩く、腕を動かす機会が減ることで、関節や筋肉をさまざまな方向へ使う時間も少なくなります。

さらに、日常の活動量が落ちた状態が続けば、筋力や持久力を使う機会も減ります。すると、階段を上る、荷物を持つ、長時間立つといった普通の動作に対して、以前より大きな負担を感じることがあります。

つまり、疲れにくい身体をつくるには、休むことだけでなく、座り続ける時間を減らし、無理のない範囲で身体を動かす力を取り戻すことも大切です。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、長時間の座位をできるだけ頻繁に中断することが勧められています。目安の一例として、30分ごとに一度立つことが紹介されています。

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始める前に、医療機関へ相談したほうがよい場合

疲労は、運動不足だけで説明できるものではありません。

十分に休んでも強い疲れが続く、日中の眠気で仕事や運転に支障がある、息切れや動悸、発熱、急な体重変化などを伴う場合は、トレーニングを始める前に医療機関へ相談してください。睡眠障害、貧血、甲状腺の病気、感染症、メンタルヘルスの問題などが関係していることもあります。

「疲れているから体力をつけよう」と自己判断で負荷を上げる前に、医療的な確認が必要かどうかを切り分けることが大切です。

疲れにくい身体をつくる5つのステップ

ここからは、デスクワーク中心の生活を見直すための5つのステップをご紹介します。

全員が同じ順番で進むわけではありません。痛みの有無、体力、生活習慣によって、優先すべきことは変わります。

ステップ1:回復を妨げている要素を整理する

最初に確認したいのは、「休めているつもりでも、回復を妨げるものが残っていないか」です。

  • 睡眠時間が足りているか

  • 起床時に休めた感覚があるか

  • 夜遅くまで仕事やスマートフォンを続けていないか

  • 食事の時間が大きく乱れていないか

  • 仕事の緊張やストレスが長く続いていないか

  • 痛みや強いこりで、睡眠や日常生活が妨げられていないか

肩や腰のつらさが強い場合は、鍼灸や手技で負担を和らげることが、身体を動かすきっかけになる場合もあります。ただし、施術だけで終わらせず、「なぜ同じ場所へ負担が集まるのか」を姿勢、動作、生活環境まで含めて考えることが重要です。

ステップ2:座り続ける時間を小さく区切る

いきなり運動習慣をつくる前に、仕事中の座位を中断することから始めます。

30分を目安に一度立つ。オンライン会議の前後に数分歩く。電話中は立つ。飲み物を取りに行く。こうした小さな動きでも、座りっぱなしの時間を区切ることができます。

ポイントは、長時間の運動を一度だけ行うことより、動かない時間を一日の中で何度も中断することです。

まずは次のどれか一つで構いません。

  • 30分ごとに立ち上がる

  • 昼休みに5〜10分歩く

  • エレベーターではなく階段を1フロアだけ使う

  • 帰宅後に5分だけ散歩する

できる量から始め、痛みや体調に合わせて増やしてください。

ステップ3:姿勢を固めず、動ける範囲を取り戻す

疲れないために「良い姿勢を保ち続けよう」とすると、かえって身体が緊張することがあります。

大切なのは、一つの正解の姿勢で固まることではありません。座る位置を変える、背もたれを使う、立つ、歩くなど、姿勢をこまめに変えられることです。

そのうえで、長時間のデスクワークで動かす機会が減りやすい胸郭、背骨、肩甲骨、股関節などを、無理のない範囲で動かします。

たとえば、呼吸に合わせて腕を上げる、椅子からゆっくり立ち座りする、胸を軽くひねるといった動きです。強く伸ばすことより、痛みのない範囲で繰り返し動かすことを優先します。

ステップ4:日常生活に余力をつくる筋力を養う

筋力づくりの目的は、見た目を変えることだけではありません。

椅子から立つ、階段を上る、荷物を持つといった日常動作に対して十分な筋力があれば、毎回全力を使わずに済みます。この身体的な余力が、疲れにくさにつながります。

最初から高重量を扱う必要はありません。椅子を使ったスクワット、壁に手をつく腕立て伏せ、軽い負荷を持って歩く運動などから始められます。

厚生労働省のガイドでは、成人に対して筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されています。ただし、これは最初から守らなければならないノルマではありません。現在ほとんど運動していない方は、週1回、短時間からでも十分な第一歩です。

ステップ5:持久力を少しずつ高める

一日の後半まで余力を残すには、筋力だけでなく、歩き続けたり活動を続けたりするための持久力も必要です。

取り入れやすいのは、ウォーキング、自転車、軽いジョギングなどです。会話ができる程度の強度から始め、翌日に強い疲れを残さない量に調整します。

「30分走らなければ意味がない」と考える必要はありません。10分の散歩を一日2回に分けても構いません。大切なのは、生活の中で繰り返せる方法を選ぶことです。

5つを一直線に進める必要はない

ここまで5つに分けましたが、身体づくりは必ずしもステップ1から5まで一直線に進むものではありません。

仕事が忙しい時期は、運動量を増やすより睡眠を確保する。腰がつらい日は、筋トレより座る時間を区切る。体調がよい週は、少し長く歩いてみる。そのように、生活と身体の状態に合わせて行き来して構いません。

また、デスクワークによる疲れは、セッション中の運動だけでは変えきれません。仕事中の座り方、休憩の取り方、移動、睡眠など、残りの時間を一緒に見直す必要があります。

STRUCTでは、身体評価をもとに、今の状態で何を優先するかを考えます。トレーニング、鍼灸や手技、日常の活動、食事、睡眠を別々に扱わず、同じ目標に向けて組み立てます。

疲労に使っていた時間を、やりたいことへ戻す

疲れにくい身体をつくる目的は、ただ健康診断の数値をよくすることでも、運動そのものを頑張ることでもありません。

仕事が終わったあとにも、少し余力が残っている。休日を回復だけで終わらせず、家族や友人との時間、趣味、新しい挑戦に使える。

身体を整え、体力をつけることで取り戻したいのは、そうした人生の可処分時間です。

やりたいことがあるのに身体がついてこない状態から、身体がやりたいことを支えてくれる状態へ。その変化を、無理なく積み上げていくことが大切です。

まずは、今の疲れを整理するところから

「疲れが取れない」と感じていても、何が負担になっているかは人によって異なります。

座る時間が長すぎるのか。睡眠が足りないのか。身体の一部へ負担が集中しているのか。筋力や持久力が落ちているのか。あるいは、医療機関で確認すべき状態なのか。

まずは現在地を整理し、自分に必要な一歩を決めましょう。

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