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デスクワークの慢性腰痛がマッサージで戻る理由|運動を始める前に見直したいこと

狩野 宏多|Kota Karino

2026/2/21

デスクワークの慢性腰痛がマッサージで戻る理由|運動を始める前に見直したいこと

「マッサージを受けた日は楽なのに、数日後には腰が重くなる」

「仕事を始めると腰痛が戻り、夕方には座っているのがつらい」

このような状態が続くと、マッサージや整体に意味がないように感じるかもしれません。しかし、施術で一時的に楽になることには価値があります。痛みや緊張がやわらいだ時間を使って、身体を動かしやすくなる場合もあります。

それでも腰痛が戻ることがあるのは、施術の良し悪しだけでは説明できません。長時間同じ姿勢で働くこと、身体活動量、筋力や動かしやすさ、睡眠、ストレスなど、日常側の要素が変わっていないことがあります。

この記事では、3か月以上続く慢性腰痛のうち、デスクワーク中に気になりやすいケースへ絞り、運動を始める前に見直したいことを解説します。

マッサージと運動の役割の違いを先に知りたい方は、マッサージで楽になっても痛みが戻るのはなぜ?施術と運動の役割の違いをご覧ください。

デスクワークの腰痛は、一つの原因では説明できない

「姿勢が悪いから」「腹筋が弱いから」「股関節が硬いから」と説明されることがあります。これらが関係する人はいますが、全員に共通する原因ではありません。

腰痛には、骨折、感染症、腫瘍、内臓の病気、神経の圧迫など、医療機関での診断や対応が必要なものもあります。一方、画像検査で一つの原因を明確に説明できない腰痛も多くあります。

WHOは、慢性一次性腰痛について、身体・心理・社会的な要素が混ざり合うため、一つの介入を単独で行うのではなく、本人の状況に合わせた支援が必要だとしています。

デスクワーカーの場合は、次の要素を分けて確認すると整理しやすくなります。

  • 同じ姿勢で座り続ける時間

  • 一日の歩数や運動量

  • 腰、股関節、胸椎などの動かしやすさ

  • 仕事や日常生活に必要な筋力・持久力

  • 睡眠時間と回復感

  • 仕事量、ストレス、痛みへの不安

  • 過去のけがや病気、服薬状況

長時間座ることと生活全体の負荷については、長時間座ると腰や身体が痛くなる理由で詳しく解説しています。

マッサージのあとに腰痛が戻る3つの理由

1.同じ姿勢が続く仕事環境へ戻る

マッサージで腰まわりが楽になっても、翌日から同じ机と椅子で何時間も座れば、再び腰へ負担が集まることがあります。

ただし、「座る姿勢が悪いから腰痛になる」と単純には言えません。まっすぐに見える姿勢でも、長く固定すれば疲れます。大切なのは一つの正しい姿勢を維持することではなく、背もたれを使う、立つ、歩くなど、姿勢を変えられることです。

2.楽になった状態と、仕事を支える体力がつながっていない

施術には身体を動かしやすくする役割があります。一方で、仕事を続けるための筋力・持久力や、座る・立つ・物を持つといった動作は、実際に身体を動かして練習する必要があります。

腹筋や背筋だけを鍛えればよいわけではありません。歩く、立ち座りをする、股関節を使う、物を押す・引くなど、全身を使う運動を体力に合わせて段階的に行います。

NICEのガイドラインでも、腰痛に対する徒手療法やマッサージは、運動を含む支援の一部として検討することが示されています。

3.睡眠やストレスなど、回復に関わる要素が残っている

睡眠不足、強い仕事上のストレス、長時間労働、痛みへの不安などは、腰痛の感じ方や回復に関係する可能性があります。

これは「気の持ちよう」という意味ではありません。痛みは身体の状態だけでなく、睡眠や心理・社会的な状況とも影響し合います。2024年の系統的レビューでも、睡眠の問題と慢性筋骨格痛には双方向の関連が報告されています。

施術や運動だけでなく、就寝時刻、夜間の覚醒、休日の過ごし方、仕事の負荷まで確認することが大切です。

運動を始める前に見直したい5つのこと

1.痛みの出方を記録する

「腰が痛い」だけでなく、次の内容を1週間ほど記録します。

  • 起床時、午前、夕方のどこで気になるか

  • 何分座るとつらくなるか

  • 立つ、歩く、横になると変化するか

  • 脚の痛みやしびれを伴うか

  • 睡眠時間や忙しさで変化するか

痛みの原因を自分で診断するためではなく、医療機関やトレーナーへ相談するときに状態を伝えやすくするための記録です。

2.座り続ける時間を区切る

「30分ごとに必ず立つ」と厳密に決めるより、会議の終了後、メールを送り終えたあと、飲み物を取りに行くときなど、仕事の区切りと結びつけます。

数分歩く、立って電話する、背もたれを使う位置を変えるなど、腰を同じ状態へ固定しない工夫をします。

3.机・椅子・画面を調整する

足裏が安定する高さ、腕を無理なく置ける位置、画面をのぞき込まずに済む距離を探します。高価な椅子へ替えるだけではなく、ノートPC台や外付けキーボードなども選択肢です。

全員に共通する唯一の設定はありません。長く保つ「正解」を探すのではなく、複数の姿勢を取りやすい環境をつくります。

4.歩くことから活動量を戻す

運動習慣がなく、座る時間が長い方は、いきなり高負荷の筋力トレーニングを行う必要はありません。

昼休みに短く歩く、移動で階段を使う、夕方に散歩するなど、痛みが強くならない範囲から始めます。時間や距離を少しずつ増やし、翌日の状態も確認します。

5.睡眠と仕事の負荷を一緒に見る

腰痛が強かった日の前に、睡眠不足や長時間労働がなかったかを確認します。寝具だけでなく、睡眠時間、飲酒、カフェイン、夜間のスマートフォンなども見直します。

運動だけを増やして休息がさらに減ると、続けにくくなる場合があります。仕事と生活の中で回復時間を確保できる量から始めましょう。

腰痛があるときに筋トレをしてもよいのか

慢性腰痛があっても、状態に合わせた運動が選択肢になることはあります。WHOとNICEはいずれも、慢性腰痛に対する運動プログラムを支援の一つとして挙げています。

ただし、痛みを我慢してスクワットやデッドリフトを続ければよいわけではありません。痛みの強さ、脚の症状、運動経験、翌日の反応を見ながら、種目・負荷・可動域を調整します。

腰痛があるときの筋力トレーニングの判断は、腰痛でも筋トレしていい?運動を始めるときの考え方で詳しく解説しています。

強い痛みや神経症状がある場合は受診を優先する

次のような場合は、セルフケアやトレーニングを始める前に、整形外科などの医療機関へ相談してください。

  • 強い痛みが続く、または日ごとに悪化している

  • 安静にしていても軽くならない、夜間も強く痛む

  • 脚のしびれや痛みが続く、範囲が広がっている

  • 脚に力が入りにくい、つまずきやすい

  • 転倒や事故のあとに腰痛が出た

  • 発熱、原因の分からない体重減少を伴う

  • がん、感染症、骨粗しょう症などの既往がある

次の症状は緊急性がある可能性があります。速やかに医療機関へ相談し、急な症状や強い症状では救急受診も検討してください。

  • 尿が出にくい、尿や便を漏らすなど、排尿・排便の急な異常

  • 股の間や肛門まわりの感覚が鈍い

  • 両脚のしびれや筋力低下が急に現れた、または悪化している

日本整形外科学会も、安静で軽くならない痛み、悪化する痛み、発熱、脚のしびれや筋力低下、尿漏れなどがある場合は、速やかな整形外科受診を勧めています。

STRUCTで行うのは、身体評価・施術・運動支援

STRUCT Conditioningでは、80分の体験セッションで、姿勢・骨格、呼吸、動作、感覚機能の4軸から身体を評価します。腰痛の病名を診断したり、唯一の原因を特定したりするものではありません。

評価を通じて、どの姿勢や動作で困っているか、どの程度の運動から始めるか、施術が役立つ場面があるかを整理します。そのうえで、状態に応じた施術と運動を行い、食事・睡眠・生活習慣も必要に応じて支援します。

STRUCT Conditioningは医療機関ではなく、診断や治療を行いません。代表の狩野は鍼灸師の国家資格を保有していますが、資格の保有と、施設が医療機関であることは別です。受診が必要と考えられる症状がある場合は、医療機関への相談をおすすめします。

無料カウンセリングでは身体評価を行いません。約40分の対話を通じて、お悩み、仕事や生活の状況、目指したい状態を整理します。身体評価は、その次の80分の体験セッションで行います。

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前職時代に担当したお客様の例

前職時代に担当した、40代の会社員の事例です。

起床時や長時間の立位で腰痛を感じ、マッサージや施術を受けると一時的に楽になるものの、仕事が忙しくなると再び気になっていました。

姿勢だけを修正するのではなく、痛みが出る場面、日中の活動量、睡眠、股関節や胸椎の動かしやすさ、全身の筋力を確認しました。最初は痛みのない範囲の運動と歩行量の調整から始め、徐々に全身の筋力トレーニングへ移行しました。

数か月後には、腰の状態に合わせて活動量や運動を自分で調整できる場面が増え、長時間の外出への不安も以前より小さくなったと話されていました。

感じられる変化や必要な期間には個人差があり、同様の結果を保証するものではありません。

施術で楽になった時間を、動ける準備につなげる

マッサージで一時的に楽になることと、仕事を続けるための体力を育てることは、役割が異なります。どちらかを否定する必要はありません。

施術で動きやすくなった時間を使い、少し歩く、姿勢を変える、状態に合った運動を行う。同時に、睡眠や仕事の負荷も見直します。

デスクワークの慢性腰痛は、一つの姿勢や筋肉だけで説明せず、生活全体の中で関係する要素を整理することが大切です。

サービスの料金は、料金・プランの最新ページでご確認いただけます。

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